~ダイスケの部屋~


 「研ぐ」 

 




 文章を定期的に書かなくて良くなりラッキィ、なんて思って早半年
過ぎ。飲み会の席での雑談で、ここを最近初めて読んだ人、まだ
読みたい人などが居る事を認識。ネット上の文章ってデータがそのまま
残る事が多いから、この手のディレイは思ったより脅威かも。。


 さて、昨日身内のちょっとしたお祭りがあり、仕事を少しやった、
その時のお話。賞品として模擬刀(脇差)の提供を受け、台の上に
他の物と共に並べてあった。僕としては、武道関係の商品も少しは
あった方が盛り上がるかな、位に認識していたのだけれど、案外
師範などに大好評。2名ほど、
「これが賞品なら、参加して狙おうかな」
などとの冗談が出る始末。複数人の、しかも師範が欲しいと言って
くれるなど、喜ばしい限りである。
 武道を長年やっている人に限らず、(形状として)日本刀の魅力と
いう物は明確にあるようで、模擬刀なんかがあると皆抜きたがる。
覚えがある人だと、樋の有る無しに関わらず、抜き打ちしたり、
振ってみたりするようだ。やはりDNAレベルですり込まれた(笑)
何かがあるのだろう。


 模擬刀は合金などで出来ているため認識しづらいが、使った後は
手入れをしないと、いずれ錆びてくる。もっとも、この場合表面が
濁ってくる程度の錆なので、使用にはあまり影響がない事が多い。
ずっと手入れをしていない人などもいるみたいである。

 真剣の場合はもう少し深刻だ。毎回使用後に手入れをする事が
望ましく、巻き藁の試し切りの時なんかは一太刀切るごとに汚れを
拭いたりする。金属の酸化は、条件によっては通常の人が感じる
よりもずっと早い。


 では、錆びてしまった場合はどうするか。これは研いで元に戻す
事になる。状況によっては内部まで錆びてしまっているケースや、
何度も研ぐ事で研ぎ減りしてしまうケースもあり、いずれにせよ
完全に元通り、と言うわけにはなかなか行かない。

 なぜ研ぐのかと言えば、切れ味云々もあるが、出来るだけ元に
戻したいからだと推測できる。綺麗な鏡面+波紋などがもう一度
戻るならと、一寸いくらの高額な研ぎ代を払うわけである。


 綺麗な刀を見た事がない人がほとんどであれば、うっすら錆びて
いても誰も気がつかない。マット加工の金属なのかな、程度の
評価を受けるだけだ。もし、刀として普通に切れるのならば、
より気づかれないだろう。

 ところが、錆びる以前の綺麗な刃を知っている人が居たら別で
ある。なぜ元のように研がずに錆びさせておくのだ、もったい
ない、本来の評価をされずに誤解を受けるではないか、と心配
してくれるわけである。


 僕は、他に綺麗な刀がたくさんあり、かつ貴重な刀剣などで
ないのであれば、錆びた刀があっても良いのではないか、と思う。
ただ単に所持者の手入れ不足が原因である事は明白だし、中まで
錆びていないのであれば刀として使用する事は出来る。

 ただ、刀匠や研ぎ師などの意向、元は綺麗だと思ってくれている
人の意向を無視していると誹られても反論は出来ない。そのままが
良いのか、研いで地肌を出してみるのが良いかは悩み処である。
一つだけ間違いないのは、綺麗な刃で居続けるためには、常に、
そして永続してメンテナンスしなければならないと言う事だ。
この点が最大の壁と言えよう。







 
                                
                                      


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